パソコン修理・相談

昨今はコンピュータ本体の処理性能の向上も緩やかになり、10年前のパソコンでも当時のハイエンド(最上級グレード)パソコンと現在のミドルエンド(中級グレード)パソコンではそこまで大きい違いは無くなってきました。

何が違うのか?

10年前のハイエンドPCと現在のミドルエンドPCの大きな違いは、形状(タブレット型)デザイン表示性能(モニタ側の性能が上がった為の追従)の違いが目立つようになりました。
つまり、10年前のパソコンは4Kや8Kの表示ができないだけで、コンピュータ本来の性能であるCPUやメモリ、マザーボード(中央基盤)の処理/転送性能は驚くほどの違いはないと言うことです。
それが何を意味しているかと言うと、10年前のPCでも多少のもたつきはあれど、現在のPCと同じように使えてしまうと言うことです。

長く使っていると出る問題は

ひとつは

長く使用を続けていればそれだけPC内のキャッシュデータ、う〜ん、言ってみれば処理短縮用データとでもいいましょうか。前にも処理したことのあるデータの読み出しを速くするための仮ファイルや、アップデートを元に戻すための旧ファイル等々が増えすぎ、本来処理を早くするためのデータ検索に時間がかかり、性能が悪いわけではないのに処理が遅いと言う現象が発生します。

データ保管場所にも問題が

パソコンの全データを保管しているハードディスクは超高速度・超高精度でディスクの取り出しが不可能な小型CD/DVD(光学ドライブ)と考えていただいても差し支えありません。
ハードディスクは大きく分けて3種(2.5 / 3.5 / 1.8 inch)のサイズがあり、動作条件はともかく、各々速度は異なるのですが、おおよそ時速100km〜200km程で回転しています。
問題はこれを読み取るアームの先端に付いている磁気ヘッド(光学ドライブで言うレーザー射出レンズのこと)の精度です。
ハードディスクのディスクとヘッドは厳密に言うと色々ありますが、端折ってご説明すると、大体10nm(ナノメートル)と言う距離を保って動作しています。
1nm0.000001mm(ミリメートル)になりますので、一言で言ってしまうととんでもなく小さい値で、人間が目視で確認できる限界を遥かに下回っています。
わかりやすく対比例を出すと、ジャンボジェット機が地表1mm程を飛んでいる事になります。
ヘッドは実際に飛んでいるその機体に書かれた1cm×1cmの文字や絵を固定視点(地上に直立不動の人間の目)でほぼ完璧に再現できるほどの精度で書き込み/読み込みを行います。

つまり何が言いたいか

物理的な動作をしている以上、そこには必ず摩耗が発生します。
こすり合わせると擦り減るアレです。
摩耗が出るとそこには誤差が発生します。
この精度で動作しているものが誤差を発生させると、動作が不安定になり何度もやり直しを行う事になります。
プラス、物理的なものには必ず劣化と風化が発生します。
重力にも引っ張られているので僅かな歪みも発生します。
SSDと呼ばれるフラッシュメモリタイプのものが搭載されているものも、電気が通る事で摩耗が発生します。

これだけの超高精度で動作しているものだと、たった1nmのズレが発生しただけでも故障し、物理的に動作しなくなってしまう上、重力によっても湾曲する物理ディスクを内包しているハードディスクは使用をしていなくても数年に一度の交換が必要になります。

購入時の設定も影響します

10年前のPCでは初期搭載のメモリ量が少なく、限界値は4〜16GBと決して少なくはないのになぜか1〜2GBしか搭載されていないと言うこともあります。
これは当時の価格設定ではこれしか搭載できず、増設は追加料金とされていたことが原因ですが、メモリはCPUが直接計算に必要なデータを書き込む、わら半紙(計算用紙)のような役目を果たしています。しかし、学生の勉強のように書く場所がなくなったら捨てると言うことはできません。場所がなくなったらその都度消すと言う作業が発生しますし、書き切れないデータが出るととりあえずはすぐに使わないデータをノート(ハードディスク)に収納します。その為、サイズは大きい方が不要なデータを消したりハードディスクへ移動させる手間がなくなります

アップデートには対応しているが

現在、最新の各OS(オペレーションシステム)のメモリ推奨値は4〜8GBがほとんどです。
初期搭載値が1〜2GBではインストールは可能かもしれませんが、その後の処理や操作に時間がかかるようになります。
CPUやマザーボード(中央基盤)はOSの新バージョンに適合しているにも関わらずメモリやハードディスクが足を引っ張って使い物にならない事もあります。

メンテナンスの基準

私のオススメは2〜3年おきのメンテナンスをオススメします。
最低でも5年に1回はフルメンテナンスを実施した方が良いかと思います。
ただ、フルメンテナンスはそれなりに料金がかかります。
初期状態に戻すことが最善の策にもなり得ます

PC1台の価格も同性能でメンテナンス料金より安い事もあります。
その為、ご自宅での使用状況によりどちらが良いか相談も必要かと思います。